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病気について統合失調症

統合失調症は、脳内に存在するドーパミンというホルモン(神経伝達物質)が過剰に放出されることにより、脳神経が一部ショートしてしまうことで起こります。

統合失調症は100人に1人の割合で発症すると言われており、数の上ではポピュラーな病気です。

統合失調症の原因

脳内に存在するドーパミンというホルモン(神経伝達物質)が沢山出すぎてしまって、脳神経が一部ショートしている状態が統合失調症です。

統合失調症は、心理ストレスや家庭環境、親子関係のストレスが原因で起こる病気ではありません。

この病気になる人は生まれつきドーパミンが脳内に大量に出されており、脳そのものが段々障害され、ある年齢に達した時に病気の症状が出てくるのです。

精神的に裸である統合失調症者は、情緒的刺激に弱いといわれています。 批判的言葉で非難されたり、怒鳴られたりすることは、彼らにとって最も苦手なストレス場面であると思われます。

彼らの病気と面と向かい合う熱心な家族ほど、彼らに早く安定、自立してもらいたいと思うあまり、高感情表出(批判的な言葉や態度をあからさまに示すこと)となってしまい、結果として病状悪化につながってしまうケースがあります。

熱心なご家族様には病気に対する付き合い方の知識を勉強して頂き、病院とパートナーシップを組んで頂きたいと考えます。そうすることで患者様のより良い回復や成長が得られると固く信じております。

統合失調症の症状

幻覚

実際にはないものが実際にあるように感じられる症状です。

幻聴

一番よくみられる症状です。実際には誰もいないのに人の声が聞こえてきたりします。幻聴で注意したいのは、命令口調の幻聴です。特に「死ね」とか「殺せ」とかいう物騒な命令幻聴には十分な注意が必要で、なるべく早く主治医などの病院スタッフに相談してください。

幻視

目の前にないはずのものがしっかり見えてしまう症状です。統合失調症では比較的少ない症状ですが、症状が出た時は脳腫瘍などの合併症の可能性があるので注意が必要です。

妄想

普通に考えるとありえないようなことを考え、しかもそれを確信してしまう症状です。
妄想は本人が真実であると確信しているものなので、妄想を訂正するように本人に説得、説明しても本人をいたずらに刺激し不安にさせるだけです。妄想を持った方に接する時は、妄想に対して否定も肯定もしないという中立的態度を貫いてください。

興奮

脳の神経が活発に活動しすぎる為に起こる症状です。まさにドーパミンが出っ放しの状態であり、本人自身ではコントロールのつかない状態です。

統合失調症の経過

前駆期(病気の始まりの時期)

前兆として一番多いのは不眠(寝付けない、早く目がさめる)です。 3日間眠れないことがあると次の急性期に病気が移行してしまうことが多いので注意が必要です。

急性期(病気が激しくなる時期)

脳の中でドーパミンの働きが活発になり、頭が冴え渡り、自分の力だけで神経を休ませることができなくなります。
神経がまとまりなく興奮した状態になり、幻聴や妄想といった症状が活発にでる時期です。病状の程度によっては入院も検討する時期です。

休息期(充電期)

眠りすぎるほど眠る、意欲や根気が見られないなどの元気のでない時期が続きます。この時期の休息が中途半端だと、後のリハビリに悪影響を及ぼすことがあります。

回復期

徐々に気持ちにゆとりが出て、少しずつなにかに取り組むことができるようになる時期です。急性期や休息期の治療がうまくいかなかったり、病気の再発を繰り返したりすると、意欲の低下・うまく会話ができないなどの後遺症がみられます。こういった後遺症は薬を飲むだけではなかなかよくなりません。デイケアや作業療法、生活機能訓練(SST)といった精神科のリハビリにより後遺症を取り除く訓練をしていく必要があります。

統合失調症の治療法

薬物療法

抗精神病薬を使い、幻覚や妄想などの症状を抑え、病気の進行を食い止めるものです。約50年前に発見され、現在に至るまで開発改良を重ね、今日では約30種類もの抗精神病薬が使えるようになりました。その中でも非定型抗精神病薬は従来の薬と比較して格段に副作用が少なく、幅広い効果が期待できる薬です。

非定型抗精神病薬(新しい薬)

リスパダール、ジプレキサ、セロクエル、ルーラン

作業療法

主として、意欲がないとか現実感がないとか他者と協調できないといった病気の後遺症に有効な治療です。

生活技能訓練(SST)

ロールプレイという手法を使って日常生活の中での苦手な場面を想定した模擬訓練です。

精神科デイケア

退院後に行われるものです。退院しても家の中でぶらぶらしていては、生活のリズムが乱れ、社会復帰はむずかしくなっていきます。日中デイケアに通い、生活のリズムを維持していくことは、社会復帰の第一歩になります。

精神科訪問看護

在宅で頑張っている人たちのためのサービスです。具体的には精神科の訪問看護師が家まで来てくれ、生活指導、病状相談などのいろいろな手助けを受けられるサービスです。これで一人暮らしの不安や同居の家族の方の負担もだいぶ軽減されました。

家族療法

精神障害の方の苦しみは想像を超えるものがありますが、その家族の方の心労も相当なものがあると思われます。また精神障害をもった当事者とどう接したらいいかわからないということも家族の方の不安を強めています。治療者と家族がともに手を携えて患者様の治療に当たっていくことが、最良の結果を生み出す道だと思われます。

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